平成28年3月十三会例会

●例 会 内 容

  日 時:2016年3月14日(月)PM7:30    会場:歯科医師会館第1研修室


●講 演

これからの輝く子供たちの未来のために

●講 師
徳利こうじ 氏(鹿児島市議会議員候補)
【プロフィール】
1963年生まれ。鶴丸高校、鹿児島大法文学部法学科卒。東京・西川法律事務所勤務を経て帰鹿。現在、創業41年になるとくり書店代表。広木小、紫原中PTA会長などを歴任。現在はNPO法人紫原子育て支援の会代表、紫原中同窓会長、紫原サポート隊(青パト)隊長、NPO法人日本犯罪防止事業団隊員などを務める。


講 演 内 容

4月の鹿児島市議会議員選挙を控え、立候補予定者をお招きし、市政について語っていただきました。徳利先生が永年、紫原地域でPTA活動、青パト巡回など青少年の健全育成に励む中で感じた子育て環境の不備不満、市民活動での限界を、市議選出馬に至った経緯として話して頂き、鹿児島市のこれからの「輝く子供たちの未来」の為に、私達に今、何が求められているのかを考える機会になりました。

・三つ子の魂百まで
 子供にとっての原点はお母さんのお腹の中にいるときだと言います。お父さんとお義母さんがけんかしている声もお腹の中の赤ちゃんには聞こえているといわれています。
「三つ子の魂百まで」という言葉もある通り、人間の人格形成にとって一番大切なのは0歳から3歳までの期間です。いろんな考え方があると思いますが、私はこの時期の子供は母親と一緒にいて育てるのが一番だと考えています。赤ちゃんと一緒にいたくない母親はいないはず。「一億総活躍社会」と言われていますが、母親が家庭の中で活躍するという選択があってもいい。
保育所や保育施設が足りないと言われていますが、「ハコモノ」にお金をつぎ込むことよりも、育児に専念する母親の手当てに月20万円を出すというようなアイディアも検討していいのではないでしょうか。
保育士の数も足りないと言われていますが、実際のところ保育士の資格を持っている人は大勢います。それでも現場で働こうとしないのは、給料が安からではなく、子供よりもその後ろにいる大人との関係に苦しむ人が多いからだと思います。自分では子育てをしないで、保育所に預け、そのくせ何か問題があったらすべて施設のせいにする。そんな大人を相手にしているうちに、先生たちも子供よりもその後ろにいる大人の顔色を窺うようになってしまうのです。

・読育、体育、食育の充実
 鹿児島の子供たちの学力も落ちていると言われています。学校の先生たちも、保育施設と同じく、子供たちよりもその後ろにいる親の顔色を窺わざるを得ないような現状があります。さびしんぼの子供がいて、フラッと教室からいなくなる。その子を探すために1人の先生があちこち探し回っている間、残りの子供たちは自習になってしまう。こんなことが今学校現場で実際に起きているのです。
 スマートフォンは確かに便利なものですが、それがあることによって、活字離れが起きています。ネット上のいじめなど今までなかったようないじめの形態も現れました。身体を動かさない子供も増えて、体力低下が深刻です。給食は食べることについて学ぶ機会であり、本来は保護者との契約で成り立っている制度ですが、給食費を払わない親がいたり、食事の内容に文句をつける親もいます。
 後ろにいる大人たちに目がいってしまい、先生たちの仕事が多忙になっています。先生たちが本来の仕事に集中できるよう、例えば退職校長を学校に入れて、問題を起こす子供の相手になるなどの制度を作るべきと考えます。何かと問題を起こす先生がいるのも事実ですが、まじめに頑張っている先生たちがバカを見ないような世の中を作っていくのも政治の仕事です。

・「余裕」を作ること
 子供を育てるのは、学校だけでなく、大人を含めた地域社会全体の役目だと思います。そのためにも地域にある中小企業がもっと力をつけ、余裕を持つようになることが大切と考えます。子供たちが鹿児島で働くことに魅力を感じられるような産業育成も政治の中で取り組みたい課題です。
 鹿児島にとって大きな産業は「食」と「観光」です。ハコモノを作るにしても、ただそのための施設を作るだけではなく、「食」や「観光」につながるものを考えることが大事になってきます。例えば中央駅のそばに活用できる土地があるので、サッカーのスタジアムを作るというアイディアがありますが、ただサッカーの試合をする場を作るだけでなく、食事ができる場所や、観光客が足を運びたくなるようなものを併設する。
 観光に関しては「メディカル・ツーリズム」という考え方があります。家族旅行をしたくても家族に病気を抱える人がいて、なかなか外に出られない。旅行に行った先に医療施設も充実しており、病気の家族を連れてきても安心して観光が楽しめるということです。こういったことも鹿児島でできるようにしたいものです。
 PTAや地域活動の現場を見てきた経験を通して、市政の中でまじめに頑張ってきた人がバカを見ない社会づくりを目指していきます。