平成27年4月十三会例会

●例 会 内 容

  日 時:2015年4月13日(月)19:30− 会場:歯科医師会館


●講 演

中小企業に役立つ「電気の基礎を学んで、電気料金とCO2削減で地球環境に貢献!
  〜電気の知識があれば、もっとエコな社会が実現できる〜」

●講 師
倉橋利一氏 (株式会社インターウエーブ代表取締役)
   ※補足講師 川畑佑樹氏(株式会社ナンワエナジー取締役副社長)

 

講 演 内 容
 

「3・11」以降、電力不足が取り沙汰され、節電や省エネに取り組む企業や家庭も増えてきました。一方で無理なダイエットが長続きしないのと同じく、無理な節電・省エネも長続きはしません。今や電力コストの削減は、企業経営にとっても大事な項目の一つです。今回は倉橋先生から電気の基礎を学び、賢い節電・省エネについて語っていただきました。

1:電気料金の仕組み
 現在の電気料金制度は、契約電力で決まる基本料金と電力使用量で決まる電力量料金により計算されます。
契約電力はデマンド時限(30分間)の平均使用電力であるデマンドが基準となり決定されます。各デマンドの最大値が最大デマンドとなり、この値が契約電力を左右します(デマンド値が大きくなれば契約電力も大きくなります)。このため同じ電力使用量でも、契約電力が大きくなれば電気料金が大きく上がってしまうことになります。従ってエネルギーコスト削減のためには契約電力を低く抑えることが有効な手段になります。 またデマンド監視によりデマンドを抑えることは使用電力量の削減にもなり、省エネを実現することにつながります。 そこで、デマンドを継続して監視できるデマンド監視機能をもった電力監視システムが有効になります。

2:LED照明について
 オフィスの照明代は電気代の約4割を占めており、エアコンとほぼ同程度です。照明を蛍光灯などからLEDに替えるだけで、かなりの電力コスト削減が見込まれるだけでなく、様々なメリットがあります。
 LEDは消費電力が蛍光灯の半分、電球の8分の1ですみます。放射熱が少ないため、鮮度低下や色あせ、色やけなど品質劣化防止になり、生鮮食料品店には最適です。また熱量が少ないことは冷房代の節減にもなります。
 紫外線が少ないため、衣料品や食料品の劣化防止になり、無死が寄ってこないので、店頭照明としても役立ちます。
 調光・調色が簡単にできるので、必要な明かりを必要な時に使うことができます。また長寿命(4〜5万時間)であるため、機器費用、メンテナンス費用の削減になります。
 インターウエーブでは蛍光灯100本をLEDに替えたことで月々21,700円の削減ができました。

3:インバーターエアコンについて
 15年前以上前に設置したエアコンの年間電力使用量は、性能劣化やフィルターの目詰まりなどが原因で、購入時に比べて3割以上も増加しています。これらを最新機種に買い替えるだけで、電力使用量は約8割も少なくなります。
 電気代が安くなるだけでなく、温度センサーで、冷え過ぎを防止したり、床温度感知センサーで足元をしっかり温めたりなど、様々な機能がついていることで快適、便利に過ごせるようになります。

4:省エネのまとめ
 まずは必要のない電気は消す「節電」に努めましょう。
次に大事なのが無駄な電力を省く「省エネ」です。現在では温度、照度、位置、熱センサーなどがついた電気機器のおかげで電力の調整が可能になってきました。また空調や暖房などは一斉起動をせず、順次起動させていくことも省エネ効果があります。
3番目は電気を安く買うことです。安い夜間電力を購入・蓄電して昼間に使用したり、設備機器にあった契約に変更したり、電気料金削減機器を導入するなど、契約を見直すことで電力コストの削減ができます。
4番は電気を自分で作ること。太陽光発電機や風力発電機を設置し、自分で発電します。ひと頃高額だった太陽光パネルも価格が下がって、一般家庭でも購入したりレンタルできるようになりました。今は電力会社と契約せず、自家発電で必要な電力を賄う「オフグリット生活」をしている家庭もあるそうです。
2016年から始まる電力自由化によって、新電力から購入することも今後は大きな可能性を持っています。携帯電話の利用料金が、自分のライフスタイルに合わせて変更できるように、電気料金もそれぞれの事情に合わせて、選べるような時代がくると思われます。電力コストの削減に努めることは、結果的にCO2削減など地球環境保護にもつながってきます。