平成26年9月十三会例会

●例 会 内 容

 2014年9月12日(金)19:30〜21:00 会場:鹿児島県歯科医師会館


●講 演

『あこがれ先生プロジェクト』

●講 師
内村文彦(うちむら・ふみひこ)氏  指宿商業高校教諭

加治木高、鹿児島大を経て高校体育教員。串木野高、与論高から現在、指宿商業高。野球部の監督として、13年秋県大会準優勝して初の九州大会に導くなど、熱意ある指導に定評がある。中村文彦氏の「あこがれ先生プロジェクト」に共鳴し、教員を元気にしようと今年2月に「あこがれ先生プロジェクトin鹿児島」を開催に実行委員長として尽力した。


講 演 内 容
 学校現場で日々生徒と向き合い、どんなことを伝えたらいいのか。そんな命題と日々奮闘している一人の教師の姿を垣間見ました。

 「『北風と太陽』の話でいえば、僕はずっと北風のような先生でした」と内村先生は教員になりたての頃を振り返ります。威圧と厳しさで生徒に接することが自分の役目だと思っていました。

そんな自分の教師としての在り方を根本から見直すきっかけを与えてくれたのは、中村文昭さんとの出会いでした。
 
「どんな仕事も人を喜ばせるためにある」。学生時代は劣等生で親や先生に迷惑ばかりかけていた中村さんは、着の身、着のままで東京に出てきて偶然知り合った人との縁から商売を始め、様々な人との出会いや学びを通じて、お金や、地位や、名誉のためではなく「人を喜ばせるために仕事をする」という人生の真理に目覚めました。

 そんな中村さんの生きざまに共感した内村先生は、中村さんから学んだことを学校現場で実践していきます。「頼まれごとは試されごと」。人から頼まれたことは、「できない」理由をあれこれ考える前に、0・2秒で「やる」と返事をする。頼まれたことをただこなすだけでなく、相手の予測を上回ることを心掛けてみる。そんな姿勢を自分に課していると、不思議なもので「自分が頼みたいことをやってくれる生徒が増えた」と言います。

 「人の生き方には『目標達成型』と『天命追求型』がある」。自分の夢や目標を掲げて、頑張る生き方は素晴らしい。しかし、夢や目標がなくても、人から自分に与えられたこと、今すべきことに集中し、頑張る中からつかめる生き方もある。進路や人生の方向性に悩む生徒たちに、今、内村先生はそんなことを語りかけていると言います。
 「あこがれ先生プロジェクト」は「『こうあるべき』ではなく『こうなりたい』」と思う先生たちが集って、大人が子供たちに「あこがれられる存在」になるために何をしなければならないかを考えるイベントです。来年1月には鹿児島の第2回大会を開くために、内村先生は実行委員として奔走しています。

そんな先生たちの学校の日常風景が最後にVTRで紹介されました。元気にあいさつしたり、ハイタッチしたり、盛り上がったり…生き生きと輝く子供たちの姿を見ていると、我々、大人も日々の中で忘れていた何かを思い出させてくれた今回の講演でした。