「会員相互で刺激を与え合い成長する」という今年度の目標から、会員の方に講演
(報告)をしていただいて、そこで感じたことについてグループ討論を行うというスタイルの例会の2回目でした。
冒頭日高会長より趣旨説明があり、まず下御領氏より以下内容にてご講演いただきました。
自己紹介
- 理工系を専攻し、鉄鋼会社にて設備の技術管理に長年携わっていました。
- 家庭の事情から帰鹿することとなりしばらく勤めもしましたが、思うところあり退職
- 失業保険受給中に社会保険労務士の資格を取得し開業しました。
- 現在開業4年目です。エンジニア出身の社労士というのは少ないのでその点を強みにしていきたいと思っています。
社会保険労務士の業務
- 労働に関連する法律や社会保険に関連する法律を背景に、雇用・労災申請、労使紛争関与、年金相談申請、就業規則作成届出、助成金申請作成手続き等に関する労務・経営コンサルティングを行います。
- 鹿児島では約250名くらい社会保険労務士がいらっしゃいます。
- 今は各種手続きについては役場に行けば教えてくれます。手続きがある程度頻繁にあるけど専任の担当者を置くのはムリというところくらいしか手続き代行のお仕事はありません。
労務管理や社会保険・年金に関する相談が主なお仕事になります。
- 以下のような点が社会保険労務士の使命と考えています。
- 労働問題の専門
- 会社の実情にあった法律順守により経営と雇用問題の解決手法を模索し、助成金受給を目指す
- 社会保険の専門
- 年金制度や他社会保険制度の相互理解を進め、納得のいく給付を享受してもらう
- 労務・経営コンサルティングの専門
- コスト軸や時間軸を念頭に置いた説明や手法により顧客の満足を得る
社労士による提案例:年金受給者の給与削減検討
- 年金を貰っている方は給与と年金の総額が一定上限を超えると年金がカットされます。
- よって給与を削減してもご本人の手取り額は変わらないということになります。
- 高年齢者を雇用し続けることで給付される助成金があり、これは給与削減率が大きいほど額が大きくなります。
- この仕組みをうまく組み合わせると、ご本人の手取り額は少し減るだけで雇用し続けることができ、会社が支給する給与は大きく削減することが可能になります。
- ご本人と会社双方にメリットがあり納得いただけるプランを検討提案できます。
社労士による提案例:事業主給与減による負担減検討
- 会社組織にしていれば事業主に対しても給与を支給する形をとります。
この時会社の負担額は給与+社会保険料になります。
- 給与を支給された事業主自身も別途所得税や社会保険料を収める必要があります。
- 事業主に対する給与を減らせば、社会保険料負担額は会社・事業主双方減ります。
- 会社負担の削減幅より事業主自身の手取り削減幅は小さくて済みます。
- この負担減によって捻出した資金を他に活用しましょう。
(1)会社への貸付金返済に回して負債を圧縮する。 (2)事業主生命保険に加入する。
- うまく活用することで会社の経営を楽にするご提案ができます。
講演を受けて、2つのグループに別れて討論を行いました。
グループ討論
- 「社会保険労務士に求めること」がテーマです。
- 各グループの進行・取りまとめは福留副会長、山下事務局長が行いました。
- 討論結果について各グループ代表者が発表を行いました。
- 発表していただいたのは山下氏、政氏の両名です。
- Bグループ(山下氏発表)
- Bグループは個人事業主、家族経営、会社員というメンバのため関心は自身の年金問題
- 社労士さんって大きな会社向けで助成金に関する支援というイメージが強い
人を雇用する規模のビジネスはハードルが高い
- 年金制度に対する理解や備えが不足している。社労士さんて個人の相談も受けてくれるの?
- まずは知ることが大事。その上でどう備えていくかを考えよう。
- Aグループ(政氏発表)
- 色々な立場からのお話あり
パートさんの労務管理、労基署からの調査対処、年金問題、社労士さんとの信頼関係に問題あり
- 人を雇う、人と関わって仕事していく中で色々な法律・規定について社労士さんにお願いすることで会社の運営が円滑に進むのではないか
質疑応答
- 年金への備えについて
=>色々な制度変更により我々の親世代と比べると年金としてもらえる金額は半分程度になってしまう状況にある。 まずは社保庁から送られてくる年金記録や自身がもらえる額を知ること。 その上で社労士や社労士と組んでる保険屋さんに相談を。(個人でもOK) 事業主さんの年金は自分のお金と会社のお金の両方のバランスの問題があるので、どうするのがベストか税理士さんや社労士さんかから提案してもらうとよいです。
- 労働時間の問題について
=>現実問題としてタイムカードの時間そのまま賃金というのは難しいこともあります。労使間の協議が基本ですが、変形労働時間制等法律で認められた様々な雇用の仕方があります。専門家である社労士さんに無理難題も含め「こんなことはできんどかい?」と聞いてみるのが一番です。
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