以下内容にてご講演いただきました。
発足の経緯と活動状況
- アミュプラザや更なる大型商業施設進出の脅威に対し天文館地区活性化を目指し、2007年6月に発足
- 博多「We love 天神」の活動を参考に組織化してきた
- 現在会員120社、年間一千万の予算規模
- 市の支援も受け、各種イベントを開催することで知名度も上がってきた
- 当初活動の中心は理事会の個人が負う面が強かったが、発足より3年経過し複数の作業部会が立ち上がるなど、ようやく組織らしい活動ができるようになってきている
- 天文館まちづくり憲章を定め、憲章に基づく8つの施策に取り組んでいる
- エコシティ天文館(市電無料の日、費用がかるので100円にして継続)
- コンパクトな街、天文館(マンションが建ち若干人口増加)
- 歩いて楽しい街、天文館(ベンチ、プランターの設置、ようやく警察の許可を得た)
- 出会いと集いの街、天文館
- 安心・安全な街、天文館(夜間パトロールの実施、犯罪発生率低減の効果が)
- 先端の情報が飛び交う街、天文館
- 天文館まるごと劇場
- 人から人へ語り継がれる街、天文館
中国人観光客の受け入れ
- 約1400人の観光客(一つのツアーによるチャーター)
- 課題であった大型バスの乗降場所が確保できた
- 観光エリアを限定して看板や案内スタッフを配置
- 年間所得100万〜300万の新富裕層で初の海外旅行体験者が8割
- 3時間で1400万の売上に留まった
- 円を持たない方が多く銀聯(ぎんれい)カード(中国のクレジットカード)での支払いを求められた(同じツアーが釜山では大量にカードで購買したとのこと)
- 当初懸念されたマナーの悪さもなくトラブルらしいトラブルは無かった
- クルーズ船は毎週入港しているがチャーターでない限り複数のツアーが相乗りしており、ツアー毎に直前に連絡がくるため通訳の確保等対応が困難なため受け入れが難しい
- 今後は体制を整え500人以上なら受け入れられるようにしていきたい
- 中国人観光客は日用品を大量に購入していくが、そうした商品は大型ショッピングセンターが中心
- 街中ではブランド品が中心となる
- 本物を求めるという点から、日本酒・焼酎が予想外に売れた
- 同一のツアーでは同じ商品が人気となるが、ツアーが異なれば人気商品も異なる
- 課題は銀聯カード端末の導入と通訳の不足(100人でも足りない)
- 複数のパスが時間差で出入りすることから人数確認が難しい
天文館シネマ
- 天文館に映画館を復活して欲しいとの多くの声を受けて計画
- 昨年の建設計画の延期は、同一目的での補助金申請を複数行うことはできないため、確度が低い状況での拙速な補助金申請を断念し、計画見直しを行うこととしたため
- 市道を換地することで用地確保を行う
- 一企業体ではなく天文館という「まち」がつくる映画館
- 建設コストを低減できるよう見直しを進めている(スクリーン数:9→7、中央公園駐車場との地下接続路規模縮小等)
- 「まち」が主体となるため、地元企業の出資依頼を募る説明を続けている
- 魅力的あるテナントに出店いただくよう交渉を続けている
- これ以上映画館が増えて採算がとれるのかとの声もあるが、施設が増えることでトータルの集客動員が増えることが見込まれ、年間25万人が利用すれば運営継続が可能
- 鹿児島ミッテ10は若者、TOHOシネマズ 与次郎はファミリー層、天文館は年配層・子供等のようにある程度のターゲットによる棲み分けも可能
天文館のこれから
- 来春、新幹線全線開通による観光需要へ期待する声もあるが、天文館は観光客よりも市民・県民向けの店舗が中心
- 特にファッション系は逆に天神へのショッピングが容易になる等の脅威となる要素が強いと懸念
- 全国で多くの商店街が寂れているが、天文館をそうしないために取り組んでいく
質疑応答
- 若者だけでなくシニア・シルバー層をターゲットにした街づくりという路線もあるのではないか?
- シニア層を考えたとき、食料品を買うスーパーがないことが不足点と考えている
- 映画館での上映作品のチョイスでもシニア・シルバー層をターゲットとして考えたい
- 基本全方位で考えていきたい
- 個人出資を募るために出資者に対する優待サービス提供する等の施策はないのか?
- 出資ではなく寄付をしたいという申し出もあり、運営会社をどのような形にすべきかを含め色々な仕組みを検討している
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