平成22年4月十三会例会

●例 会 内 容

日時

2010年4月13日(火曜日)PM7:30

講演

大島紬と私

講師:窪田 茂 氏

窪田織物株式会社 代表取締役社長

1948年、奄美市生まれ。大阪で大島紬の関連会社に勤務し、営業職などを経験。鹿児島支店勤務の後に独立し、77年に窪田織物を創業。大島紬の市場が年々縮小する中で、業界トップを維持している。反物の製造・販売だけでなく、大島紬を使った洋装小物類の製造・販売、子ども服販売、フォトスタジオなども手掛ける。

講師近影
●内容
以下内容にてご講演いただきました。
  • 創業

    運転資金もロクにない状態からの夫婦二人でのスタート
    「約束」を果たすことで信用を得てきた
    信用を得ることで商品も資金も集まって商売が回り始めた
    「約束」を果たすことが基本であり一番大事なこと

  • 業務についての考え方

    経営者はまず第一に仕事好き・働き者でなければならない
    さつま時間ではダメ、商圏を広げたければお客様時間で働く
    日報により常に動向を把握し、疑問を感じたら現場で確かめる
    日々会社での出来事をつかみ、次にどう動くべきかを把握する
    社員の行動・考え・結果を吸収し、社員を活かすことが大事
    社員の真意をつかみ思いやりもをもって接する
    事業計画を作る際も社員を交えモチベーションの維持、生産性向上に努める

  • 失敗と成功の差

    舞い上がりテンションが高くなって勘違いすると大失敗につながる
    目先の数字ばかりを追いかけたり、テンションが上がりすぎるとコケる
    一所懸命やりつつも遠巻きに自分を見つめ直す冷静さが大事
    自分が出来ることを把握し、効果的にアピールすることで苦境も乗り越えられる

  • チャンスをつくる

    小さな機会でも自力で掴めるものを確実にモノにする

  • 器は磨けば必ず大きくなる

    チャンスをモノにすることで器・自力が磨かれていく

  • パートナーは誰か

    第一に妻、第二に社員
    必ず相談し賛同が得られなければやらない

  • 光続ける

    業界のトップ企業として、業界にインパクトを与え、情報発信していく
    会社の中でもリーダーとして率先して取り組む姿を見せ続ける
    同業者から見ても、社員から見ても光り続ける存在であるべきである

  • 大島紬のファンはまだいる

    確かに市場は縮小しているが、アンケート結果などを見れば着物への憧れは決してなくなっていない。
    女性の90%は着物を着てみたいと思い、20代の女性の30%は着物を買いたいと答えている

  • 文明が発達すればするほど、文化が必要視される

    文明が文化を破壊する側面があるからこそ、文明の発達により人々の文化を惜しむ気持ちが強くなる
    着物の文化も衰退はするだろうが、無くなることはない

  • 洋装へ特化する

    洋装への取り組みを進めている。携帯ストラップ等もみやげ物として定番
    紬を素材として捉えればチャイナドレス、巾着、風呂敷等いくらでもバリエーションはありえる

  • 海外へ目を向け市場開拓をする

    縮小する市場でパイの奪い合いをしてもしょうがない
    アジアの方々を採用し、海外の市場開拓を進めていくべき

  • 市場性をつかむ

    業界トップであるということは他社を手本にはできない
    伝統産業として伝統を守っても、経営まで伝統的である必要はない
    いち早く市場のニーズをキャッチし一歩前に踏み出していくことが大事
    一歩踏み出すことで見えてくる新たな景色を見て、また次の一手を考える

会場風景1会場風景2
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懇親会風景1懇親会風景2